韓国メディアの最近の報道によると、TSMCとサムスンは米国工場で深刻な課題に直面している。トランプ政権は最近、輸入電子機器に使用されるチップの数に基づいて関税を課す提案を含む一連の新たな政策を導入した。また、企業に対し、国内生産のチップと輸入品の比率を1:1に維持することを義務付ける可能性があり、高額な関税ペナルティに直面する恐れがある。これらの一連の措置は、世界の半導体企業をジレンマに陥れ、たとえ損失を出しても米国への投資を継続せざるを得ない状況に追い込んでいる。
ロイター通信は9月26日、米国商務省が製造業の国内回帰を促進するため、製品に使用されるチップの価値に基づく新たな関税計画を策定していると報じた。ウォール・ストリート・ジャーナル紙も、米国政府が半導体企業に「1:1生産」目標の義務付けを検討していると報じた。ルトニック商務長官は、この計画を「経済安全保障」の問題として挙げ、業界幹部と協議した。アナリストらは、海外からの低価格チップの流入やサプライチェーンの調整によって企業のコストが大幅に増加するため、この目標は投資を増やすだけでは達成が難しいと指摘している。
最も大きな影響を受けるTSMCとサムスンは、既に米国工場の操業に支障をきたしている。韓国のYTNテレビのデータによると、TSMCのアリゾナ工場は過去4年間で1兆7000億ウォン（約86億5000万元）の損失を累積し、2024年の生産開始以来最大の損失となった。人件費と設備費は台湾のそれをはるかに上回っている。サムスンのテキサス州にある24兆ウォン（約1222億元）の工場も、受注不足により先行きが不透明になっている。
業界関係者は、トランプ政権が輸入チップに100%の関税を課すと警告した際、米国に工場を持つ企業は免除されるとみられていたが、今回の新たな政策によって再び不確実性が高まっていると指摘している。韓国メディアは、現状が続けば、企業は「米国で生産する方が関税を支払うより費用対効果が低い」と判断する可能性があり、世界の半導体戦略は大きな調整を迫られるだろうと論じた。
